◆ コンサドーレはまだエスコンを使用したことがない
2026年6月現在。コンサドーレ札幌はエスコンフィールドを使用したことはありません。札幌ドーム時代は、コンサドーレ札幌と日本ハムファイターズは一緒に札幌ドームを本拠地として使用していました。その関係もあり、この問題はサッカーファンや北海道民の間では話題になることが少なくありません。
◆ 結論から言うとエスコンフィールドではJリーグの試合は出来ない
今回は結論から逆算して記載していく方がわかりやすいでしょう。以下の画像を参考に説明をするとJリーグの試合規程ではエスコンの内野に敷かれた人工芝では試合を行うことが出来ない。

Jリーグの規程に定められた条件をエスコンフィールドが満たしていないのであれば、この問題はこれで解決するはずです。
ではどうしてこの一言でこの問題は解決しないのでしょうか。
◆ 北広島市とコンサドーレが連携協定を結ぶ
2025年3月27日に北広島市とコンサドーレ札幌は『北広島市のスポーツによるまちづくり推進のための連携協定』を締結しました。
北広島市と言えば、日本ハムの本拠地であるエスコンフィールド北海道。JRの新駅も準備しており、北広島市の象徴でもあります。この連携協定の場でコンサドーレの社長でもあり、メインスポンサーの石屋製菓(白い恋人)の石水創氏のコメントが注目されました。
「エスコンで出来るのであればすごくいいと思うが、フィールドのサイズの違いもあると思うので、そこが現実的にどうかとはあると思うが、ああいうスタジアムで サッカーの試合が出来たら最高だと思う。」
この発言を北海道放送が取り上げたことで、ついにエスコンでもコンサドーレ札幌の試合が開催されるのではという期待感がサッカーファン。北海道民から生まれたようです。ちなみに石水創社長の奥さんは元北海道放送のアナウンサーです。
◆ 過熱してしまったファン同士の衝突
実はこの石水創社長のエスコン発言のニュースソースが現在は確認できないのです。もし北海道放送やYAHOOニュースが当時の記事をそのまま残してくれていればよかったのですが、これが『石水社長はエスコンでコンサドーレの試合をやりたいなんて1度も言っていない』『石水社長がお願いされれば当然エスコンで試合をすることも検討』といった話がネット上で多く広がってしまいました。
この発言を受けて日本ハムファイターズ側の一部のファンが札幌ドームのあの苦い経験から『なんで上から目線なんだ』『札幌ドームと違って所有権は日本ハムにあるのだから』という発言もみられるようになりました。
◆ 更に続く双方のファンによる過激な衝突
「当初エスコンは全て天然芝の予定だったはず。それが内野を意図的に人工芝に変えたことでコンサドーレを締め出そうとした。」
「日本ハムファイターズはコンサドーレではなくセレッソ大阪のスポンサーをしているのだからコンサドーレを敵視している」
「エスコン側はサッカー開催なんて望んでいない。野球専用の日本一の球場なんだから。サッカーをやられて芝生を傷めつけられたら困る」
このような発言も多くみられるようになりました。
◆ 日本ハムの本社は大阪でセレッソの方が先に支援

実はこのセレッソ大阪のスポンサー問題は大きな誤解を呼んでいます。そもそもとして日本ハムファイターズは北海道を本拠地にしていますが、北海道に拠点を移したのは2003年です。
日本ハムファイターズはこの10年も前になる1993年に大阪サッカークラブ(株)「セレッソ大阪」の設立・運営に参画しています。
またコンサドーレ札幌は東芝堀川サッカー部が全身で、北海道に移転したのは1996年です。つまり日本ハムがセレッソ大阪の支援をするよりもコンサドーレ札幌の誕生と日本ハムファイターズの北海道移転の方が遅かったということです。
この点だけは必ず抑えておくとこの問題はかなりスッキリするでしょう。
◆ 日本ハム側からみたエスコン運営
率直に現状として日本ハム側にとってエスコンフィールドをコンサドーレ札幌に貸し出すメリットはあまりないでしょう。確かにプロ野球の稼働は10月末までで、球団側が練習で使うことはあっても11月~1月はオフシーズンになります。
一般的にはこの3カ月間稼働しなければ、収入源がなくもったいないと思うのですが、エスコンフィールドは野球の試合がなくても楽しめる観光スポットになっています。
札幌ドーム時代と比較すると、イベントがない日にわざわざドームにはいかないですし、日本ハムファイターズも練習をする為にはわざわざ札幌ドームに使用料を払う必要がありましたが、現在は日本ハムが専用練習場としても稼働できます。特に北海道は11月には雪が降ることもあり練習環境の確保が重要ですし、その練習をみにファンが来場します。
また現実問題としてスタジアムの人工芝をサッカー用に天然芝に変える必要がありますが、札幌ドーム時代はそれを前提に準備が整っていましたが、エスコンではその準備をする為には更なる追加整備費が発生します。この追加整備をわざわざ日本ハムファイターズが用意する必要はなく、この費用はどこが負担するのかという問題になります。もし本当にサッカーの試合で使うというのであれば年間を通して10試合以上の開催見込みがなければ設備費だけでかなりの負担になるでしょう。
またエスコンではライブコンサートは開催されていませんが、シーズン中でもこのようなイベントは開催しています。

◆ なぜこのような議論が起きるのか
話は戻りますが、結論としては現状エスコンフィールドでは内野が人工芝なのでコンサドーレはJリーグ規程上使用できないとわかっていながらこれだけ話題になるのか。
単純にそれだけエスコンフィールドが魅力的だからでしょう。サッカー派で普段は野球場で観戦しない北海道民もエスコンフィールドの名前は知っているはず。わざわざ野球では見に行かなくてもサッカーだったら行ってみたいというファンも多いはずです。
またエスコンフィールドは交流戦でもアウェーチームでも人気になっており「1度は行ってみたい」「また行きたい」という意見が多いだけに、サッカーファンにもぜひエスコンの魅力を知って欲しいという野球ファンもいるということでしょう。